
こんにちは、暖淡堂です。
阿川大樹さんの「終電の神様」シリーズ、とても好きです。
終電に乗りそびれた人たちのドラマが、短編連作の形で書かれています。
そのどれもが、とても面白い。
で、この「夜明けの行進」。
これまでの作品とちょっと違って。
これまでの作品では、短編がそれぞれ別の主人公の、それぞれの設定でのお話になっていました。
本作の「夜明けの行進」では、収められている短編の主人公が統一されています。
短編が五篇あるのですが、どれも同じ主人公。
そして、終電は数本逃しています。
全体として、一作の長編作品としても読むことができます。
ストーリーは、ぜひ作品を読んでいただくこととして。
本作で印象的だった部分。
主人公の母親が入所している高齢者施設を訪問した後、辛い思いを抱えながら街を彷徨い、行きつけのカクテルバーに立ち寄ります。
「それなら幸福ですね」
その言葉…。
「いつももうすぐ希望が叶うとおもっていられるなら」
終電の神様 夜明けの行進 阿川大樹 実業之日本社文庫 p292
その言葉…。
「いつももうすぐ希望が叶うとおもっていられるなら」
終電の神様 夜明けの行進 阿川大樹 実業之日本社文庫 p292
もうすぐ希望が叶う。
そう思っていられる時が一番幸せ。
それを知った主人公は、この時から自信を回復させていきます。
そして、日々を生きる力を身体のうちに蘇らせる。
そのための、終電後の行進。
多くの人が経験する、身内の老い。
そして自分自身の、生涯に対する責任。
簡単には答えは出せないけど、答えを出せないからといって、立ち止まれない。
立ち止まることはない。
むしろ立ち止まる必要はない。
胸をはって、行進するように歩き続ければいい。
そう、勇気づけられるような作品でした。
*☺☺☺☺☺*
「終電の神様 夜明けの行進」 阿川大樹
もうすぐ希望が叶う…

dantandho
