徳川家による幕府体制を盤石なものにするために執念を燃やした家康が亡くなった。
関ヶ原の戦に遅参した原因を作った真田家への恨みを忘れられない二代将軍秀忠は、一人生き残った真田信之に怒りの矛先を向けた。
真田家の江戸家老を呼びつけ、大坂冬の陣の後、真田信之と、豊臣方についた幸村との密会の事実をつきつけた。
その密会で、真田家存続のための謀議を行ったのではないか、戦時の振る舞いとしては不適当ではないかと責めた。
その真田家を救ったのは、信之の岳父、亡き家康が残した密書であった。
密書には、幸村を味方に取り込むために密かに会い、説得したことに対する感謝の意が書かれていた。
密会は、家康が依頼したものだったのだ。
秀忠による真田家取り潰しの危機を乗り切った信之であるが、やがて国替えを命ぜられる。
上田から松代に移った真田信之は、三代将軍家光に「天下の宝である」と呼ばれながら、九十三歳で生涯を閉じた。
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真田太平記全十二巻を読み終えた。「真田太平記ロス」を味わっている。
真田昌幸、信之、幸村の三人の他に、シリーズを通してほぼ全巻に登場している人物が数名いる。
その中でも、特に真田家に仕える草の者集団のお江(こう)は、六十歳を超えていると思われるが、最終巻でも胸のすくような活躍を見せる。
上田城下の農家の娘に不埒な振る舞いをしようとした隠密に、制裁を加えたのだ。その手際が鮮やかだ。
通勤電車の中で読み終えたが、後書きの最終段落を、思わず何度も読み返していた。
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今村翔吾さんの作品を読みながら、ずっとこのシリーズのことを頭に思い浮かべていました。
真田太平記(十二)雲の峰 池波正太郎
真田信之の戦い

dantandho
