
知らないことがたくさんある。
自分の暮らしに影響を及ぼしていることの、原因がわからない。
わからないまま、日々を暮らしている。
20世紀初めのウクライナ
ソビエト連邦に組み込まれた国々は、理想と主義を掲げた指導者と、その下で私利私欲で動く人たちの影響を大きく受ける。
1932年と1933年に、ウクライナで発生した飢餓は、ソビエトの支配層によって引き起こされた人災だった。
富農層の追放とともに行われた農業作物の挑発。
それが厳しく、農民たちの日々の食糧も奪ってしまった。
ウクライナの人たちはそれを「ホロドモール」と呼び、記憶にとどめている。
「ウクライナ・ノート 対立の起源」で描かれていること
漫画と文章で、ソビエトの内部で行われた「クラーク(富農層)の追放」とホロドモール(飢饉)を経験した人たちの経験談が描かれている。
経験者たちの語り口がそうだったのだろう、本書も、全編「乾いた」感じがする。
それでも、読後に心の中に残ったものは重たい。
繰り返すが、理想や主義を掲げた指導層と、その下で私利私欲で動く人たちが組み合わされると、その影響は大きく、多くの場合、悲劇が引き起こされる。
それは、人々が歴史から学べることであり、その例として書き残されているものがたくさんある。
本書も、その一冊である。
作者イゴルトのこと
知らなかったが、日本の漫画雑誌で連載を持っていたらしい。
日本で暮らしていたこともあるとのこと。
作品に「日本ノート」、「ロシア・ノート:アンナ・ポリトコフスカヤを追って」などがある。
とても興味がある。
ウクライナとロシア、そして
ウクライナへのロシアの侵攻が続いている。
「ウクライナ・ノート」を読んだ限り、ウクライナが抗戦を続けるのはよくわかる。
ロシアは、この侵略をどのように終えるつもりなのだろうか。
殴られ、踏みつけられた人々が、戦争後、穏やかに付き合ってくれると思っているのだろうか。
今回のロシアの侵攻は、殴りつけ、踏み付けにした人々を、さらに押し潰そうとしているように見える。
同じような動き方をしている大国が、ロシアだけではないのが、なんだか、とても悲しい。
「ウクライナ・ノート 対立の起源」
イゴルト作 栗原俊秀訳:
1932ー1933 ホロドモール

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