
こんにちは、暖淡堂です。また読んでしまいました。今村翔吾作品。
「幸村を討て」。面白かったです。
数年前、「真田太平記」を一気読みしました。
その時のことを思い出しながらも、まったく新しい描かれ方をしていて、とても楽しめました。
作品の構成は、少し前に読んだ「八本目の槍」に似ているかな、と思いました。
しかし、「幸村を討て」では、幕間として挟まれる真田信之と真田幸村の兄弟のエピソードが全体をまとめる感じになっていて。
「八本目の槍」は、短編小説集風にも読めるのですが、この「幸村を討て」は、兄弟の物語の部分が挿入されることで、全体の一体感がはっきりと出ていると思いました。
そして、物語の最後、徳川家康と真田信之との対決の部分までのストーリーが、きれいにつながっている。
「より雪深い地に閉じ込めておかねばな」
ふと見上げると、家康は悪戯っぽい笑みをこちらに向けていた。信之の頬もまた緩む。
「信濃の侍は、雪を割って咲く華こそ美しいと知っておりますれば」
「それは」
…
「ゆきを…割ってか。最後まで上手く纏めおって」「幸村を討て」今村翔吾、中公文庫(2024年11月25日)、p572
このやり取りで、徳川家康は真田家との勝負に一旦決着をつけます。
これが家康と真田家のいずれの勝ちなのかは、ぜひ作品を読んで確認してください。
なんだか、今村翔吾さんの作品、どれも面白いです。
一気に読んでしまいそうなので、すこし他の作家の作品で時間を薄めながら、ゆっくりと読んでいきたいと思っています。
今村作品と出会えてよかったな。
「幸村を討て」 今村翔吾 雪を割って咲く花こそ…

dantandho