
こんにちは、暖淡堂です。
2025年、初めて今村翔吾さんの作品を読みました。
多くの作品が発表されていて、どれも評価が高いことは知っていたのですが。
通勤電車の中で読むための本を、勤務先近くの図書館で探していて、今村翔吾さんの作品を手に取ってみました。
分量が程よく、表紙の絵に品があり、最初の一文に引っ掛かりがない。
それで、読んでみることにしました。
で、すぐにハマってしまいました。
「くらまし屋」とは、依頼人の姿を「くらます」ことを請け負う裏の仕事人。
様々な理由で姿をくらましたい人たちの願いを叶えます。
くらまし屋の人たちにも、それぞれ個人的な事情があり、それが物語に厚みを与えています。
このシリーズ、読み始めると引き込まれてしまいます。
その理由は、この作品群が、ある物語の型を持っていること。
それは、「逃走劇」であるということ。
それに、登場人物それぞれの個人的な背景による物語も重なって。
「くらまし屋」は逃げる側。
それを追う側は、強力な刺客になります。
「くらまし屋」は、知恵と剣で追っ手から逃れます。
逃走がヒートアップした後に、各話の結末が訪れます。
これまでに刊行されている作品は、どれもが爽やかな読後感のもの。
時代物、剣戟物、さらに捕物作品が好きな方、気に入られることは確実。
オススメです。
現在、シリーズは八作目「風待ちの四傑」まで。
作品の中に描かれる「夢の国」の、今後の展開も興味を引きます。
「くらましや屋稼業」 今村翔吾
引き込まれる物語の型について

dantandho

