この人も三十六歌仙の一人でした。
今回は源重之について紹介します。
源重之とは
生年940年頃、没年は1000年頃。
平安中期の人です。
また旅をすることの多い人だったようです。
百人一首に選ばれている歌は、自然の風景を用いて自分の心情を表す試みをしているもの。
旅人として、どこかの海岸で目にした風景を思いながら歌ったものでしょうか。
風の強い海岸に立つ歌人の姿を思い浮かべると、この歌に込められた想いがより感じられます。
時代背景
1000年頃は、藤原道長を中心とする藤原北家が権勢の中心にいて、その力を増していました。その後の1017年には藤原道長が太政大臣となります。
地方では動乱がありました。
1019年の刀伊の賊の来寇は、日本周辺への対応が必要であることを当時の中央政権に知らしめた事件でもありました。
1001年頃、「枕草子」や「源氏物語」が成立。日本の文学が大きく発展した時期でもあります。
百人一首の歌
歌:風をいたみ岩打つ波のおのれのみくだけて物を思ふころかな
歌の意味:風が激しく吹いていて、岩に打ち寄せる波が自分だけ砕け散っている、まるでそのように、私の恋心は相手の岩のような硬い様子にぶつかって砕けてしまっているのだ。
「風をいたみ岩打つ波のおのれのみ」
源重之 自然の描写で心の様子を表現する
藤原北家の権勢のピークの頃でしょうか。
「枕草子」や「源氏物語」の成立にも、藤原氏の影響があったようです。
またお立ち寄りください。
どうぞご贔屓に。
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