このタイトルの本を手に取らない理由はありません。
まさに定年を数年以内に迎える身として、知っておくべきことはたくさんあります。
それをどのように身につけていくのか。正直戸惑っています。
そこに、この本。
砂の上にこぼした水滴のように、どのページの内容も心に吸い込まれていきました。
この本で特に心に残ったのは以下になります。
半径3メートル
「夫のトリセツ」にも書かれていました。
夫の脳は「男性は狩猟をする、外敵から身内を守るなどの役割を果たす」べく作られています。
一方の妻の脳は「女性は、子供を守り育てるため、身の回り半径3メートルの範囲で能力を発揮できる」ようにチューニングされています。
このことが、夫婦の間のすれ違いの原因になっています。
ただし、それを理解したならば、このことこそ役割分担の根幹。
それぞれの得意な脳の働きを活かし、夫婦得意な部分を最大限に使って、共同生活を送っていくのが最良の形かと思います。
それが「生存可能性の高い夫婦」の姿であると、黒川さんは書いています。
事実の文脈、心の文脈
男性の脳は合理的かつ迅速な問題解決を試みます。そのようにして考えや話を進めます。これが「事実の文脈」。
女性の脳はこれまでの心の物語を語り尽くしたい。それで事実だけを話すのではなく、多くのエピソードが挿入され、その時々の気持ちまでも付け加えられるので、冗長なものになってしまいます。
夫としては妻の話はなかなか要点が見えてこない、妻としては夫の話は表面的な通り一遍のものとしか思えない。
それが夫婦のすれ違いの原因になっています。
定年後も長く一緒に暮らしていかないといけないもの。
問題の解決が目的であれば夫にまかせる。
出来事の背後にあるものや思いがけない気づきを得たければ妻が話を主導する。
そんな役割分担もよいのかもしれません。
夫にはシングルタスクの家事が向いている
家事はマルチタスクの仕事。
状況の変化に応じてその場その場で臨機応変に対応する必要があります。
これは女性脳が得意なこと。
一方で、男性はシングルタスク、結果まで一直線に進む仕事が得意。
それでも、男性も家事をするべきです。
その場合は妻が主導権を握り、夫に向いている仕事を任せるのがよいでしょう。
それもシングルタスクの仕事を。
例えば、
- 食器洗い
- 掃除機がけ
- 決まったメニューの調理
- 洗濯
など。
これらのうちの、どれか一つをやってもらい、それが終わったら次のものをやってもらう。シングルタスクの連続にするといいです。
これらは始まりから終わりまでだいたい作業の流れが想像できますし、なんであれば効率化のアイデアも活かせます。
決して、ざっくりと「家事」を任せてしまわないことですね。
黒川伊保子 「定年夫婦のトリセツ」
生存可能性の高い夫婦の姿
健康で長生き。それが当面の目標です。
またお立ち寄りください。
どうぞご贔屓に。