交叉/涯
(…雨
湿った埃の匂
今とともにある過去の
遠い地平の涯で集められた
人々の言葉が震えるいくつもの部屋を
不意に滑落する勢いで通り過ぎるとそこに
深い、廊下
凍えて
二つめの窓の前
風の音
目が、凝り
石の壁を滑り落ち砂礫に蹲る片足の少年は
引きちぎられた母のブルカに顔を埋め
身体にできた空洞の隅々を
硬い獣の尾で探った後
静かに泣いた
(…哭
小さな妹が、泥水に口をつけ、震えていた
(…やがて、霜が降りる…)
…ああ…逃走の足取りは重くもつれ…冷たい風に流される二つの眼球となり…岩陰に潜む息に怯え…激しくここに巻き戻される…
(…湿った、埃の、匂…、ここ、に…)
窓の外
打ちつける雨で歪んだ森
膨張し 収縮し
と、少年が「私」達を振返る
遥か遠くを見る視線が
個々の「私」達を「過去」に埋める
…その…
…暗い「底」…
*****
正しいものに勝ってもらいたいのではなく、
ただ、穏やかな時間を取り戻したい。
それだけを祈っていたのに。
果てしなく、力が抜けていく。
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【現代詩】「交叉/涯」
世の混乱の風景を切り取ったイメージ 現代詩の試み
特定の誰かが大きな富を築いて、多くの人たちが虐げられる。
そして、それを止めるのではなく、富がさらに集まってしまうようなお金の使い方を、国のレベルで進めてしまう。
なんとかならないのでしょうか。
またお立ち寄りください。
どうぞご贔屓に。
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