北海道大百科事典 北海道新聞社 昭和56年 より
興部は「オコッペ」、秩父別は「チップベツ」。
読めますか?
漢字を見ただけでは通常は読めませんよね。
読みにくい理由があります。
それは、これらの地名がアイヌ語の音を漢字にしているから。
このような地名は、アイヌ語が日本人にも馴染みやすくするための工夫だったようです。
今回は、このようなアイヌ語由来の地名を網羅的に研究し、「北海道蝦夷語地名解」を編纂した「永田方正」を紹介します。
また、アイヌ語由来の地名の例をいくつか説明します。
永田方正とは
1838(天保9)年、伊予国西条藩の藩士の子供として江戸に生まれます。
昌平黌で学んだ後、1881(明治14)年には北海道開拓使の漢学教師となります。
北海道でアイヌ教育法確立のための調査を依頼されたことがきっかけとなり、アイヌ語の研究に取り組むようになりました。
1891(明治24)年には「北海道蝦夷語地名解」を編纂します。
札幌農学校教師、第7師団司令部講師、東京女学校教師などを歴任し、1911(明治44)年に亡くなります。
興部「オコッペ」とは
アイヌ語の「オ・ウコッ・ペ」。
これは「川尻・互いにくっつく・もの(川)」という意味のようです。
実際の地形がこのようになっているので、このように呼ばれていたいました。
現在の興部町は以下のサイトをご参照ください。
秩父別「チップベツ」とは
「チプベッ」で「舟・川」の意味になります。
古くからの人は「チクシ」とも呼んでいて、漢字で「筑紫」と書くこともあったようです。
土地の名前から、舟の往来があったところだろうと想像できますね。
現在の秩父別町の様子は以下のサイトをご参照ください。
www.town.chippubetsu.hokkaido.jp
*☺☺☺☺☺*
ちなみに砂川という地名は
砂川という地名もアイヌ語由来です。
「オタウシナイ」で砂浜の多い川筋という意味。
それで「砂川」という地名が生まれたようです。
一方で、その音からは歌志内という地名もできました。
砂川を流れる川の源流に向かった先の土地です。
アイヌ語の音と意味とで、それぞれ別の地名になっているというのは、面白いですね。
【北海道のこと】
アイヌ語由来の地名を最初に網羅的に研究した人って誰?
アイヌ語由来の地名って、もっとたくさんあります。
住んでいるとアイヌ語に囲まれて暮らしている感じです。
またお立ち寄りください。
どうぞご贔屓に。

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