穏やかな暮らしのためには、どこにどのように住むのかという問題を解決し続けなければいけません。
住むために考えないといけないのが、まずは住居。
その住居が、どのような町にあるのか。
家族は近くにいるのか。
人生の様々なステージで、どのように暮らすのか。
それらが想像でき、あらかじめの準備もできる。
そうなることで、安心して暮らし続けることが出来るのでしょう。
大月敏雄さんの「町を住みこなす ー 超高齢社会の居場所づくり」は、安心して一生を暮らしていくためのヒントがたくさん詰まっています。
以下、興味深かったポイントを紹介します。
「ニュータウン」の歴史
戦後の住宅不足に対応するために、国策として進められたのがニュータウンの造成。
利用された土地は戦時中は軍用地だったところのようです。
国内で作られたのが大阪の香里ニュータウン(団地とも)。ここには1958年頃入居が始まりました。
軍用地が次第に少なくなってきてから、新たに造成地を利用して作られたのが千里ニュータウンでした。
その後、1965年頃から造成が始まったのが多摩ニュータウンになります。
近居とは
近居は、一つの家族が暮らす形態ですが、必ずしも同居ではなく、近くですが別の住居に分かれて住んでいるものをいいます。
同じアパートやマンションの別の部屋にそれぞれ住んでいたり、少し離れたところにある戸建に住んでいたり。
同じ町にいて、普段からよく行き来をしていますが、同居はしていない状態です。
この近居が、安心して一生を過ごすためにはとても大切なことでもあります。
35歳と生まれたて
住宅地を造成したりマンションを建設した後、分譲するときにターゲットとなるのが、それまで賃貸などで生活していた35歳前後で生まれたての子供のいる家庭とのことです。
新規にかつ一斉に分譲を開始すると、そこに住む人たちの年齢分布は35歳前後と0歳のところにピークがあるふたこぶの形になります。
時間が経つと、これがそのまま高齢の方にシフトするのですが、その過程で子供たちが独立し、別の所に離れていってしまいます。残るのが高齢側の一つのピークだけ。
これが、ニュータウンに見られるオールドニュータウン化の問題になっていますね。
家にも住むが、町にも住む
人は家に住むだけでなく、町にも住む。そう大月敏雄さんはいいます。
その町の中に、自分のいくつかの人生のステージに適った暮らし方、住まいやサポート施設、制度などがよくわかる形で整っているならば、その町は暮らし良いものです。
若いうちは興味を満たす娯楽施設、結婚して子供ができたら子育ての施設や支援の制度、子供が独り立ちしたらまた自分達の趣味や興味で生きるための環境、年老いた親の介護制度、自分が高齢になれば、バリアフリーの住居、高齢者施設など。
それぞれがバランス良く整えられている町が、一生を送る上で理想的な場所といえるかもしれません。
「町を住みこなす ー 超高齢社会の居場所づくり」
大月敏雄 どこにどのように住むのか
自分の還暦まで、2年を切ってしまいました。
両親は健在ですが、遠く離れて暮らしています。
この先どうしていくのか、いつも考えています。
なかなか方向性は決まりませんね。
またお立ち寄りください。
どうぞご贔屓に。
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