安心感の研究 by 暖淡堂

穏やかに日々を送るための試みの記録

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【現代詩】「駅/発酵」 旅立つ人も、帰り着く人も、もう誰もいない駅

誰もいない易、現代詩の試み

 

駅/発酵

 

(…ああ、季節が、かわる…

…散り積もった枯葉、を、掻き分けるように掘る、と、底、に…

…じゅくじゅく、と、醗酵し始めた厚い腐葉土の層、さらにその、下、に…

…雨、が、近づいてくる、その響きが指先に伝わる、雨は、深い底で、降っている…

…鼻、先、を過ぎる風の、生臭さ、思いがけず、首筋を撫でる、風の、冷たさ…

…不意、に、触れる、硝子、それは掘り出された、小さな窓、その中、に…

…滑落、濡れた、冷たい床、木の長椅子、枯葉の壁が塞ぐ、出口のない改札口…

…雨が、屋根を叩く音が、聞こえる、窓を塞ぐ枯葉の層が、ゆっくりと溶け…

…改札口に、いくつもの人影が立つ、そして、静か、に、待っている…

(…ああ、すべて、ここ、から…

 

****

 

深い森の中にある駅のイメージ。

その駅の奥には無数の機関車、電車、列車が停められている。

そして、長い時間の中で、朽ち果ててしまっている。

しかし、暗い夜、いくつかの機関は目を覚ましたように、低く唸り始める。

 

レールを埋める、厚い枯葉の層を、雨が叩く時。

立ち上がるのは、置き去りにされた「私」。

静かに停車する列車に乗り込むのは、「私」。

 

しかし、どこへ旅立つのでもなく、帰り着いたのでもない。

 

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【現代詩】「駅/発酵」

旅立つ人も、帰り着く人も、もう誰もいない駅

 

自作の現代詩です。ブログを始めた頃は、こんな感じの詩を書いて発表していました。またお立ち寄りください。どうぞご贔屓に。

 

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dantandho

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