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六十四卦を順番に紹介しています。
今回は「山水蒙」です。
蒙昧の蒙ですね。
「おろか」という意味です。
下卦が坎で、水、危険などを象徴します。
その坎が上卦艮（山）の手前で止まっています。
易経の卦辞は、この卦に対してどのように言っているでしょうか。
先に紹介した六十四卦表をご参照ください。
易経にある山風蠱の卦辞は以下のように書かれています。
艮／坎
山水蒙
蒙。亨。匪我求童蒙。童蒙求我。初筮告。再三瀆。瀆則不告。利貞。
蒙は亨る。我童蒙を求むるにあらず。童蒙我を求むるなり。初筮は告ぐ。再三すれば瀆る。瀆るれば告げず。貞しきに利あり。
蒙は蒙昧。
教育を必要とする童（子供）のこととも言えます。
この童が、自ら学ぼうとして師につく。
そのような形となれば願いは叶います。
この占い、最初に出た卦の意味を疑って、二度三度と繰り返すといけません。
その場合は、正しいことは読み取れなくなってしまいます。
自らが師であれば、進んで学ぼうとする童を導いて吉。
学ぶ立場であれば、尊敬する師に従って吉。
いずれも正しい態度で臨むとよいです。
この卦に対して、新井白蛾はどのようにいっているでしょうか。
山水蒙
「厳険雲烟（いわやまにくもけむり）」の象
「花生じて、いまだ開かざる」の意
この卦はこどもやおろかものの意であり、
物事を明白に判断して取りまとめることが難しいことを示す、
しかし、子供もだんだんと知恵がつく意でもあり、
次第によい方向に向かうものと知るべし。
慌てて急いでおこなうことはすべてよくない。
物が数多く入り混じっている形なので、
占う人には世話や面倒事が多いと知るべし、
そうではあるが一つずつ片づいていき、
最後には願いが成就する。
何事も思い違いが起こりがちである、
慎重にすべし。
よい師にしたがって、
物事を念入りにすることはよい、
しかししたがう相手によっては迷うこともあるだろう、
慎重にすべし。
心の中に願い事があっても人には話しにくい、
話してもすぐには叶わない。
妊娠、お産は障りなし、
しかし三爻が変爻となれば危うい。
病は長くなる、
治るがすぐに効く治療はなし。
失せもの見つかりにくい。
待人は来るが遅い、
途中で足止めを食っている
易学小筌から
師に従うにしても、誰を師にするかを慎重に考えないといけない。
新井白蛾はそう言っています。
それはそうでしょうね。
途中にある「三爻が変爻〜」の部分、ちょっと意味が取りにくいです。
不倫の子ということかもしれません。
この爻を変えると、前回紹介した「山風蠱」。
家庭内が頽廃してしまっているということでしょうか。
山水蒙 六十四卦 易経の卦辞と新井白蛾「易学小筌」
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誰を師とするかは、生涯に渡って影響を及ぼしかねない大きな問題ですね。
僕は特定の人物ではなく、古典の書物に学ぶことにしています。
現在有名な人たちは、現在流行している考え方にたまたま合致しているだけかもしれません。
長い時間をかけて磨かれた考え方を学んでいきたいと思います。
またお立ち寄りください。
引き続き、どうぞご贔屓に。
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