こんにちは、暖淡堂です。
平家物語、何度か通読しています。
読むたびに発見があります。
一生の間に、何度も繰り返して読むのでしょうね。
で、今回読んだのが「平家物語 あらすじで読む源平の戦い」。
タイトルはこう書かれていますが、内容はあらすじどころか、物語を構図化しての理解の仕方を提示してくれている研究書でもあります。
平家物語の登場人物や大まかな流れが頭に入っていると、とても楽しめると思います。
この本は決してあらすじを紹介するような本ではありません。
そうではありますが、僕はこの本をとても面白く読みました。
書かれた板坂さんも、「平家物語」が好きなのだろうな、という感じが溢れていました。
僕がこの本を読んでいて、一番共感したのが、あとがきにあった以下の部分です。
〜ある文学作品を下敷きにした、いわゆる二次創作をどう考えるかということについては、充分に文学の歴史や性質を理解して対処してほしいと願ってやまない。〜(中略)〜そもそも文学あるいは芸術という形式は先行作品の利用なしにはほとんど成立し得ない。それが文化というものだ。〜
まったく同感です。
過去になされた創作が大切にされ、それを下敷きにした新しい創作が生み出され続けるということが、文化の発展であると思います。
多くの人が優れた古典作品に出会い、それらに触発されて自ら創作する。
そのようにして、人々の共感を得るような作品が生まれてくる。
そんな社会が、成熟した文化的な社会といえるのではないでしょうか。
二次創作は著作権とも関連しますね。
多くの創作を触発する古典とは、やはりもっと触れる機会があっていいと思います。
またお立ち寄りください。
どうぞご贔屓に。
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