還暦記:暖淡堂

還暦前後の日々の記録

大道可安而不可説。 「大道」とは安んじるところである :菅子四篇 心術上 (3) 

菅子四篇

菅子四篇 心術

こんにちは、暖淡堂です。

 

心術上の第三回目です。

前回は「道」について書かれた部分を紹介しました。

今回の文章は、「道」をより詳しく説明しています。

 

心術上第三十六(短語十)

 

原文

大道可安而不可説。眞人之言、不義不顧。不出於口、不見於色。四海之人、又孰知其則。天曰虚、地曰静、乃不伐。潔其宮、開其門、去私毋言、神明若存。紛乎其若亂、静之而自治。強不能徧立、智不能盡謀。物固有形。形固有名。名當、謂之聖人。故必知不言無爲之事、然後知道之紀。殊形異埶、不與萬物異理、故可以爲天下始。

 

書き下し文

大道は安んずべくして説くべからず。眞人の言は、義ならず顧ならず。口より出でず、色に見(あらわ)れず。四海の人、また孰かその則を知らんや。天は虚、地は静にして、すなわち伐らず。その宮を潔め、その門を開き、私を去りて言うことがなければ、神明存するがごとし。紛乎としてそれ乱れるがごときも、これ静なればすなわち自ら治まる。強きも徧く立つこと能わず、智も盡く謀る能わず。物は固より形有り。形は固より名あり。名當る、これを聖人という。故に必ず不言、無爲の事を知り、然る後に道の紀を知る。形を殊にし埶を異にし、萬物と理を異にせず、故に以て天下の始まりと爲すべし。

 

現代語訳

大いなる道は、人々はそこに安んじるものであり、それを言葉で説明しようとしてもできないものである。真人の言葉は、正義や倫理から発せられるものではなく、過去を振り返り反省したものでもない。言葉で表されず、目の前の現象に現われないのであれば、世の中の人は、誰がその理を知るだろうか。天は虚であり、地は静であり、ただそのままであって、互いに他よりも優っていると誇ることはない。心が潔く虚ろで、その入り口は開かれ、自分というものが取り去られ、ことさらに話すこともない状態の心の中に、神のごとき賢明さがある。ごたごたとして紛らわしく乱れている状態も、静かに落ち着いていれば自らあるべき姿に治まる。どれほど強い人でもすべてのところにいて力を振るうことはできないし、優れた知恵があっても、すべての事を一度に考えることはできない。物にはもともと形がある。形があって、それを呼ぶための名前がある。物を正しく呼んで外さない、これができる人を聖人という。だから、まだ語られないことや、なされないことを知って、その後でやっと道の入り口を知ることができる。形が異なり、勢いが違っていても、萬物と理を共有している。だから天下のすべての物の始まりなのだ。

 

「菅子四篇」暖淡堂書房より

 

 

<簡単な解説>

今回の文章では「道」のことを「大道」、大いなる道としています。

「道」はいつも我々の近くにあります。

しかし、人はそれに気づきません。

それで、「道」の大いなる働きを自分のものとすることができません。

 

この「道」は、言葉ではうまく説明できないものです。

心が虚ろで、余計なものなどない人の心の中に「道」は入り込み、神のような懸命さを発揮する。

しかし、それはことさらなことをすることでもありません。

すべてのところで力を発揮することはできません。

すべてのことに対して正しいことをいうこともできません。

ただ静かに落ち着いて、あるべき姿をとっている。

そのようにすることで、ゴタゴタと乱れていることも落ち着いてきます。

 

そのようにしていられる人を「聖人」といいます。

 

 

 

 

 

 

 

菅子四篇 心術上 (2) 道不遠、而難極也。

「道」とはどこにどのようにしてあるのか

 

春秋戦国時代にはたくさんの思想家が現れています。

その一派の文章を「管子」という書物にまとめているともいえます。

 

ただ、「論語」や「老子」、「孫子」、「韓非子」などに比べて読まれる機会は少ないようです。

その理由の一つは、手に取りやすい「管子」の書物が、日本ではあまり出版されていないことかと思います。

 

暖淡堂書房では皆さんの手に取りやすい電子書籍の形で「管子」関連書籍を販売しています。

「菅子四篇」はアマゾンのペーパーバックとしても入手可能です。

 

東洋思想の源流を概観するのにも効果的な書物になっています。

仏教が中国に受容され、その後禅として発展したことの背景も理解できるかもしれません。

ぜひご一読を。

 

またお立ち寄りください。

どうぞご贔屓に。

 

 

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