その安倍寛信さんが安倍元総理の退陣後、2020年冬に発表された本です。
この本では、安倍家、岸家の系図、相関などが家族の視点で描かれています。
安倍元総理の業績や政治信条などはほとんど書かれていません。
安倍寛信さんが、淡々とご自身の家系のことを振り返っています。
その意味で、いま、ある政治家の家系のことを知るために、非常に参考になる書物です。
この本で知ったことは、以下になります。
岸信夫さんのこと
岸信夫さんが安倍晋三さんの弟であるということは、時々テレビなどで紹介されます。また、安倍晋三さんが岸信介さんのお孫さんであることも。安倍?、岸?。状況がよくわかっていませんでした。
岸信介さんは、安倍寛信さん、安倍晋三さんの母方のお祖父さん。総理大臣経験者で、妖怪とも呼ばれた政治家でした。
で、信夫さんは、安倍晋三さんの弟として生まれたのですが、その後、岸家の方の、安倍晋三さんからみて伯父にあたる岸信和さんの養子になります。それで岸姓になっています。
安倍寛氏
安倍寛信さん、安倍晋三さんの父方のお祖父さんが安倍寛さん。山口県で村長や県議会議員を務め、国会議員にもなっています。その時、岸信介さんとも親交があったようです。
大政翼賛会とは距離をおき、敗戦を予感しながら、戦後のあるべき姿を模索するような政治家だったとのこと。
周囲の人からは、維新の頃に長州を中心に活躍した高杉晋作になぞらえて「今高杉」と呼ばれることも。
政治家としての活躍がさらに期待されていましたが、終戦半年ほどで亡くなってしまいました。
安倍氏とは
「安倍」という名前。歴史では前九年の役で、朝廷から派遣された源義家と戦っている安倍氏につながります。義家に敗れた安倍氏のうち、安倍宗任は京都に連行され、その後九州に配流となります。
今の安倍氏はその末裔とのこと。そうであれば、山口の地にはいますが、古の東北にいた蝦夷の人たちとも無縁ではないのかもしれません。
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たまたま図書館で見つけて読んでみました。
安倍氏の系譜の全体像が把握できて、とても興味深く読めました。
もう少し早くこの本に出会っていたら、「安倍」という名前の人たちのことに別の意味の関心を持てたのにな、と思ったりします。
またお立ち寄りください。
どうぞご贔屓に。
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