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六十四卦のうち震卦を上に置くものを紹介しています。
今回は「雷火豊」です。
卦の形は上卦が震、下卦は離。
内側に明るさを持って、外側に動く。
勢いが増すようなイメージですね。
先に紹介した六十四卦表をご参照ください。
易経にある雷火豊の卦辞は以下のようなものです。
雷火豊
豊。亨。王假之。勿憂。宜日中。
豊は、亨る。王これに假（いた）る。憂いなし。日中に宜し。
この卦は高杯に物を盛った形。盛大の意味で「豊」。
下卦が離（明）で上卦が震（動）。
内側に明晰さ、外側に動きがあります。
豊かであり、明晰さでもって動く。
このような状態には王者でなければ至れません。
また、中天にある太陽のように、人々に分け隔てなく徳を示すことで、憂いがなくなるでしょう。
とても良い卦ではありますが、このような徳が示せる場合に願いが叶います。
それは簡単なことではありませんね。
この卦に対して、新井白蛾はどのようにいっているでしょうか。
雷火豊
「俊隼、雉を擭（つか）む」の象
「残花、雨を待つ」の意
この卦は、盛大な勢いのあることを意味する、
そうではあるが、あまりに大きすぎてかえってあるべき形をうしなうという意味にもみるべきである、
たとえば水中の月のように目にはみえるが手には取ることができない、
このように考え合わせるべし。
嘘や謀に遇うかもしれない。
思いがけない驚きがあるだろう。
損失あり。
裁判沙汰や喧嘩など慎むべし。
貴きもの得るかもしれない。
婚礼には良いことはない。
妊娠は成らずの兆あり。
失せものは人に尋ねるべし。
病には凶。
待ち人はほぼ来ない
易学小筌から
新井白蛾は、決して王者の視点では世の中を見ません。
いつも庶民の、個人では大きな力を持っていない者の立場で考えます。
身の丈に合わない力など持つのは不幸のもと。
貴いものを得るかも知れませんが、そんな場合こそ御用心。
雷火豊 六十四卦 易経の卦辞と新井白蛾「易学小筌」
すでに力を持っているものが、その力を正しく使うことが出来れば、勢いは一層増します。
力を使い慣れていないものが力を持たされると、あまり良いことにはなりませんね。
またお立ち寄りください。
引き続き、どうぞご贔屓に。
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