安心感の研究 by 暖淡堂

穏やかに日々を送るための試みの記録

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「満足死 寝たきりゼロの思想」 奥野修司 満足死と尊厳死の違いとは?

自分がどのように死ぬのか。その死に方を自分で選べるのか。そして、最後に自分はその死に方に満足して死んでいけるのか。

 

終活に関する本を探していて、この本に出会いました。この本はノンフィクションの作品です。作者の奥野氏は、四国高知県の漁港に近い町で行われている医療と介護の取り組みについて取材し、この作品を執筆しました。

 

その町で行われている取り組みの中心にいるのが、小さな診療所に赴任した一人の医師でした。その医師が住民との関わりを通じて少しずつ生活のスタイルを変えていくことで、寝たきりになり、病院で亡くなる、という人を減らしてきました。

 

地域行政からの支援はむしろ少なく、医師と住民との直接のやり取りの中から実行されてきた取り組みが効果を上げています。

 

今回の読書で学べたことは以下の点になります。

 

自宅で家族と過ごす方が予命は長くなる

末期癌などと診断され、医師から予命3ヶ月などと宣告されたとします。そのような人が、最後を自宅で過ごしたいと希望したとき、家族やかかりつけ医などの協力が得られれば、自宅に戻ることができます。そうすると、3ヶ月といわれていた期間が半年、あるいはさらに長くなったりするということが実際にあるようです。病状も改善されることも。家族などの献身的な介護が期待できる場合は、最後は自宅で過ごすのが理想かもしれません。

 

働くことが健康寿命を延ばす

健康で長生きをし、最後に寝たきりになったりしても、その期間が短い。いわゆるポックリ死を実現する方法。それは、できるだけ身体を動かすような仕事をいくつになっても続けていることだそうです。平均寿命が長く、それでいて寝たきりになる老人の少ない地域では、老人が毎日少しずつでも畑に出て農作業をしているとのこと。近隣の、定年退職後は家でのんびりしている老人の多い地域では寝たきりになってしまう老人が多いようです。農作業といっても、身体に負担のかかるようなものではくて十分。毎日、自分の仕事として続けられるものでよいようです。

 

満足死は一人称の死

安楽死、あるいは尊厳死と満足死はどう違うのか。この本で紹介されている医師は「満足死とは一人称の死」だといいます。安楽死尊厳死は本人の遺志を尊重するとはいえ、あくまでも遺された家族や、場合によっては治療にあたっている担当医のための言葉。満足死は、死ぬ瞬間まで、自分自身で生きるという選択をすること。それが周囲の目で見てどれほど辛そうなものであっても、本人の選択を優先するということ。この点に関しては、多くの人が納得できる状況になるには、時間がかかるかもしれません。

 

by カエレバ

 

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dantandho

「満足死 寝たきりゼロの思想」

奥野修司 満足死と尊厳死の違いとは?

 

「調べる技術・書く技術」を読んでから、何かいいノンフィクション作品はないかな、と探していました。

終活関連でこの本に出会えました。

文章を書くお手本になり、かつ、終活に関連する知識も得られました。

またお立ち寄りください。

どうぞご贔屓に。

 

dantandho.hatenadiary.com

 

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