書道家の方が書いた文字は素晴らしいものです。
漢詩や経文が題材になっていますが、その言葉の意味を超えた芸術的価値があります。
ですが、書かれているのは文字。
それも過去の誰かが考えた文章を書いているだけとも言えます。
そのような書の作品は、著作物として保護されるでしょうか。
書の著作物性について、ある裁判で判断が示されています。
書の著作物性についての裁判所の判断
「書が造形 芸術であることは万人の疑わないところであって、その最も重要な要素、すなわち 創作的な表現部分は形、すなわち造形性であると解すべきである。
書においては、 運筆のリズムから生ずる帰結、抑揚、細太、緩急、それによるにじみとかすれなど の造形があり、書の形が形成され、逆にいえば、書の形から運筆、リズム等が感得 される(略)。」
上記のように判断して、裁判所は書が著作物であり、著作権による保護対象であることを認めています。
一般の文字の著作物性
文字や字体に著作物性を認めると、世の中の人が文字を書くときに権利を気にしないといけなくなりますので、とても不便です。
なので、文字、字体には原則として著作物性は認められません。
しかし、書の作品自体に関しては、上の判例の中の言葉にありますように造形芸術であり、著作物性が認められます。
*
美術館や博物館に展示されている書は芸術作品であり、存命中の書家の作品は著作物。
書の作品は著作物としてその権利は保護されます。
漢文を題材にした書の著作権 書かれた文字は著作物?
書については法文中に明確には書かれていませんが、いくつかの裁判を経て考え方が整理されてきています。
法的な判断は、実際の事件を扱うことで次第にはっきりしてくるものです。
またお立ち寄りください。
どうぞご贔屓に。
にほんブログ村ランキングに参加しています
