労働は、肉体労働と頭脳労働に分けられてきました。
そこに感情労働と呼ぶべきものが加わっていて、その感情労働でのストレスが、近年、私たち労働者の感じる虚無感、無力感の背後にあるようです。
感情労働とは、感情のコントロールも仕事の内容に含まれるような仕事です。
例えば航空機の客室乗務員や接客、営業、介護、あるいは学校での教育などの従業者で、利用者に心地よさや精神的な満足感を与えることが求められているような仕事をする人たちは、感情のコントロールが求められます。
また、普通の会社の中でも、感情労働の比率が増えています。
上司と部下、同僚との間でも、感情のコントロールが求められる場面が増えています。
コントロールができないと、パワハラとされてしまうこともあるかもしれません。
仮に、相手が自分本位でルールを理解せず、職場内での秩序を乱すような振る舞いをしたとしても、それを注意する立場の人は、感情をコントロールした対応をしないといけません。
これは強いストレスの原因になりますね。
この本は、このような感情労働の比率が上がっていること、それが現在の労働者の間に広がる虚無感や無力感の背後にあることについての問題提起をしています。
この本の出版は2012年。
その時点から現在まで、状況が改善されてきたようには感じられませんね。
そもそも、この問題の解決は難しいのかもしれません。
このような問題があることを多くの人が知ることで、少しでも働く場を共有する人たちの間に安心感が共有されるといいなと思います。
10年くらい前に出版された本を読むと、その頃の問題、課題がほぼ解決されていないことがわかりますね。
ものによっては状況が悪化しているものもありそうです。
またお立ち寄りください。
どうぞご贔屓に。