古典作品の創作者が亡くなって70年経過していたら、作品そのものに対する著作権を主張できる人はいなくなります。
その時点で作品は公有(パブリックドメイン)となっています。
平安時代とか、室町時代とか、その頃に創作されたものについては、著作権者はいません。
誰もが利用できる公有(パブリックドメイン)のものです。
では、その作品を所有している人はどのような権利を持っているのでしょうか。
例えば、次のような場合は、著作権に関してどのように考えるとよいでしょうか。
例:江戸時代に出版された挿絵付きの古本の所有者がAさんからBさんになった。
AさんはBさんに古本を譲り渡す前に、C出版社に古本の写真撮影を許可した。
写真はC出版社の所有である。C出版社は写真を利用して書籍を販売した。
このとき、現在の古本の所有者であるBさんが「所有権侵害」であるとC出版社を訴えた。
考え方:そもそも古本になっている作品の著作者は江戸時代の人であるため、著作権者はいないことになります。
著作権法成立の前でもありますし。
Cさんは古本の所有権を有しているので、その権利がC出版社によって侵害されたと思ったのでしょう。
しかし、所有権とは、所有するものを独占的に使用、処分する権利であり、C出版社はBさんの所有権を侵害している訳ではないので、残念ながらBさんの訴えは通りません。
これは「所有権」と「著作権」についての整理が必要な問題ですね。
今回は以下の書籍を参考にしています。
古典ではありませんが、作品の所有者による所有権の行使に関して話題になったバンクシーの件、引用しました。
所有権の行使の例ですね。
できれば大切に保存してほしかったな、と思います。
またお立ち寄りください。
どうぞご贔屓に。
にほんブログ村ランキングに参加しています