読書を続けていると、何度も遭遇する作者がいます。
外山滋比古さんもその一人。
「思考の整理学」がよく知られていますね。
で、今回は「乱読のセレンディピティ」。
いろんな本を読むことを勧めています。
この本で興味深かったのは以下です。
本は乱読し、内容は忘れるべし
本は、様々な種類の本を続けて読むべきである。それも身銭を切って、買って読むべし。図書館をよく利用しますが、買っても読んでいる僕としては共感する部分です。
様々な種類の本、例えば小説、例えば論文集、例えば古典。すべての種類の本を購入して最後まで読み通すのはさすがに厳しい。
そんなとき、これらをまとめて読む方法がある。それは新聞を読むこと。論説あり、詩や俳句などもあり、小説も読める。時間をかけてすべての紙面に目を通すと、様々な種類の文章に触れることができる。
そして、読んだものは忘れる。知識を増やそうとして書かれてあったことを覚えるのは、むしろ脳に悪い。身体が栄養を取りすぎてメタボリックシンドロームになるように、脳も知識を詰め込み過ぎるとメタボリックシンドロームのような状態になってしまう。
本を読み、知識を吸収したら、不要な部分は排泄する。そのための仕組みが忘却です。
おしゃべりの創造性
知的な想像において、文章を読み、書くということを重要視しすぎているようです。実際には聞き、話すということも知的創造においては果たしている役割は大きい。
産業革命期には満月の夜に開催されたおしゃべり会(月光会)で交わされた会話から、新たな産業をけん引したアイデアがいくつも産み出された。ハーバード大では学長が呼び掛けたおしゃべり会でめざましい成果を得て、大学の名を高めた。
外山さん自身も、国文学者、漢文学者、英文学者(外山さん自身)の雑談会を定期的に開催していて、いくつものひらめきを得たそうです。
おしゃべりによってなされてた知的創造には大きなものがあるようですね。
朝の思想
生理学者、物理学者であったヘルムホルツは、論文を朝の床の中で書いたそうです。菊池寛は夜は一切仕事をせず、朝執筆をしたとのこと。
会議などで長く議論を続けていてもなかなかまとまらないとき。いったん中断して朝あらためて議論するとよい解決策が見出されたりします。
夜、遅くまで仕事をするのではなく、朝にする仕事は効率がよい。
それはもしかしたら、寝ている間に余計なことを忘却しているからかもしれませんね。
外山滋比古さんの本は、数冊読みました。
どれもあっと思うようなアイデアが示されていて、さらに文章を書く手本になります。
きっとまた別の本を読むんだろうなあ。
またお立ち寄りください。
どうぞご贔屓に。
