新書版の本を読むと、いつもとても勉強になります。今回のこの本は、学んだ上に、ものすごく書きたくなります。
今、何らかの理由で書きあぐねている方にはお勧めです。
特にブログを書いている僕たちにとって、参考になるのが、終わりの方の「第八章 体験を書く」。
ブログを書いていると、全体的に日記風になって、日々の経験を題材にすることが多いのですが、この章を読むと、もっと別の書き方ができないものか、考え始めてしまいます。
この本を読んで学んだのは以下の点です。
見慣れたテーマが化学反応を起こすーチャップリンのステッキ
世の中にはもうたくさんの書かれたものが溢れていて、新しいことは何も無いように感じられて、書き始めることができないときがあります。
そんなときに思い出すとよいのが、チャップリンのステッキ。チャップリンの帽子、髭、ブカブカのズボン、デカい靴。これらはすでに先人達が見つけて、コメディーの中で使ってきたもの。
チャップリンはそこにステッキを持ち込みます。それによって、先人達が使ってきた小道具との間に化学反応が起き、あの独創的なスタイルが出来上がっています。
この、チャップリンのステッキに当たるものを見つけること。書くときには、それが求められています。
本の“目利き”になるー本にはお金を惜しむな
本は買って、汚しながら読むべきもの。真剣に何かを書こうと思うのであれば、そうでなければいけない。
荒俣宏さんの若い頃のことが紹介されていました。本を買うためのお金を確保するために、徹底的な節約をしていたそうです。
食事はインスタントラーメンか、せいぜいがそれにモヤシを入れたもの。仕事に着ていく服も、学生服を染めて背広に仕立てたものだったそうです。
本は書店に行って買うべきとのこと。そして、よいと思った本はその場で買う。
これには僕も同感です。あっ、これいいな、と思った本があっても、たまたま余分なお金の持ち合わせがなかったり、出張中で荷物が増えるのが気になったりで、買わずにおくことがあります。
そうすると、ほとんどの場合、その本と再会することはありません。
何度も惜しい思いをしました。
第三の目をもつー取材現場にて
インタビューをする際には、相手の様子、現場の様子をよく見ること。それだけでなく、インタビューをしている相手と自分自身とを、少し離れたところから見る第三の目をもち、全体の状況にも気を配ること。
ハッと気づいたことがあります。
この第三の目は、日常のコミュニケーションでも必要ではないかな、と。
通常は自分と相手が横並びで、対等の立場で話をしています。しかし、なんだかこじれてしまうこともありますね。
そんなときは、おそらく相手の言葉だけに反応しているのだと思います。
しかし、第三の目をもって、自分と相手との関係や、その周囲の状況までを見て会話することができれば、余計なトラブルは避けられるかもしれません。
これは、この本に書かれていたことではありませんが。
野村進 「調べる技術・書く技術」
他者や世の中から得たものを、お返しする
この本は、ノンフィクションを書く現場のノウハウが詰まっていました。
ブログはそこまで本格的な文章でなくてもいいのかもしれませんが、とても参考になると思います。
お勧めです。
またお立ち寄りください。
どうぞご贔屓に。
イラストは「いらすとや」さんからお借りしました。
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