こんにちは、暖淡堂です。
気象の観測データそのもの(数値データや天気図など)は著作権法の保護対象外です。
また、データをただ集めて表やグラフにしただけでは著作物とはなりません。
以下に説明しますが、データを集めたデータベースとなると、条件を満たせば著作物となり、保護対象になります。
データベースが著作物として保護対象となる条件は以下に説明しました。
では、テレビなどで放送される天気予報は著作物でしょうか。
天気予報の著作権?
著作物とは「思想又は感情を創作的に表現したもの」です。
人間の知的活動の表現(創作)となっているものは著作権法で保護されます。
テレビの天気予報は、ザックリと以下の内容からなります。
- 気象データ(気温、気圧、降水量などの数値データ)
- 気象データの表示
- 予報、予想、気象解説
それぞれについて、著作権との関係をみていきましょう。
気象データ(気温、気圧、降水量などの数値データ)
繰り返しになりますが、集められた数値だけでは著作物にはなりません。
降水量の記録も同じです。
データベースの保護について
なお、個々のデータが著作物として扱われなくても、これらを集めたデータベースは著作物となりえます。
データベースを構成する情報の選択又は体系的な構成によって創作性を有するものと判断されれば著作物で保護されます。
また、単なるデータの集積にすぎないとされているものはファクトデータベースであって、創作性はないと考えられるかもしれません。創作性がないと、著作権法での保護はされませんね。
しかし、多大な労力や費用をもって作成されたデータベースが、ファクトデータベースであったとしても、その労力に他人がフリーライドすることに関しては一定の制約があります。
フリーライドの行為が、民法709条の「保護に値すべき利益」の侵害と判断されれば賠償責任が認められることがありますので、ご注意ください。
気象データの表示
見た目がわかりやすく描かれた等高線図や、独自の配色で何らかの思想、例えば降水量と危険度の相関などをわかりやすく表示したものなどは著作物となりえます。
独自のキャラクターのイラストを使って天気概況を説明する図などはその部分だけでも美術の著作物となると思います。
なので、天気予報番組の動画やHPの画像などをそのままコピーして自分の記事などにそのまま使用する場合、適切に引用されていないと著作物の不正利用(無断複製)とされる可能性があります。
なお、引用については改めて説明します。
予報、予想、気象解説
気象予報士などが自身の経験や知識などから導き出された予測は、それが文章や講演(口頭での発表)などで個性的に表現されたものは著作物となります。
誰が書いても同じ文章になるようなもの(「明日は朝から晴れます」みたいな文章)は著作物とは判断されないでしょうが、個性が発揮され、独特の表現方法で書かれたり話されたりしたものは著作物です。
気象解説などの書籍は、学術書としての著作物になりますね。
そもそもの天気予報の番組自体は(言語、美術、図形、映画などの)著作物です。
イラストは「いらすとや」さんからお借りしました。
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