赤川次郎という作家の文章は、ネット時代を先取りしたかのようなものだ。
短く、テンポが良い。
文章に、ねじれがない。
その上、目が離せない出来事が続けて起こる。
こんな書き方をされたら、読み進めざるをえない。
はらはらしながら出来事を追っているうちに、一冊読み終わってしまう。
こんな文章を書けたらいいな。
そう思ってしまう。
ある家族に降りかかった災難の物語である。
その災難を、家族それぞれの力でしのぎ切る。
誰もが、家族のために出来ることをして、結果、家族が守られる。
家族一人一人が、超人的なパワーを発揮するのでない。
なにがあっても潰れてしまわない。
そんな逞しさのようなもので、それぞれの身に降りかかる危難を乗り越える。
小さな傷を負いながら、最後は笑っていられる。
強さとは、結局、相手を力で倒すことではなく、出来事を乗り越えられることなのだろう。
そんなことを感じさせられた。
赤川次郎 「ホーム・スィートホーム」
ノンストップの一気読みになりました。
何を書いてもネタバレになりそうなので、今回はこんな感じの紹介になります。
面白いので、是非お読みください。
またお立ち寄りください。
どうぞご贔屓に。
【Honto】