定年後の生活の仕方は様々。
勤めていた会社の名前を入れた名刺を自分で作って、それを持ち歩いて安心する人。
会社に勤めている間は時間がなくてできなかったゴルフや温泉旅行を楽しむ人。
特になにもすることがなく、一日テレビをみて過ごす人。
定年前から勤め先での仕事に囚われることなく、一生打ち込めることを見つけていた人は、定年後には、会社勤めの生活から、自分自身の仕事へとスムーズに比重を移していくことができます。
その仕事は必ずしも十分な収入に結びつかないかもしれません。
しかし、定年後の生活を充実したものにしてくれます。
そのような暮らしをしているひとを
「ただならぬオジサン」
「ただならぬオバサン」
と足立紀尚さんは呼びます。
この本で学んだことは以下になります。
定年後の準備は現役の時に進めておく
この本には、定年後の自分の仕事を続けるための、参考になる実例が紹介されています。ボランティアとして高齢者のコミュニティー運営を手伝う人、給食サービス、介護支援サービスのNPOを立ち上げる人。現役時代の資格を生かして、小さな会社運営を始める人、会社や役所の仕事を通じて、人々のためになることを見つけ出して、自分自身でそれを始める人。
これらの例は、どれも定年になってから、シニアになってから取り組み始めたものではありません。現役の頃から、時間をかけて準備されたものです。定年後、自分自身の仕事を通じて社会とつながっていくためには、定年よりも前の現役の間に準備を始めていないといけません。
身内との別れもある
配偶者を亡くした人の心のケアをするボランティアの例が紹介されています。そこで働く男性自身も、奥さんをガンで亡くされています。その人は、奥さんに最後まで病名を告げることができませんでした。なんどか奥さんから「私はガンではないの?」と尋ねられても、それを認められなかったそうです。
奥さんを看取ったあとは、すっかり落ち込んでしまい、酒量が増え、挙句には病院通いをしなければならなくなりました。そのとき出会ったのが心のケアをするボランティアでした。そこでカウンセリングを受けた男性は、自分自身も他の人を助けるためのカウンセラーになっていきます。そういう第二のお勤めの始め方もあるようです。
足立紀尚「定年後のただならぬオジサン」
価値ある第二の人生のスタートを準備する
配偶者を亡くした人の心のケアについて書かれている部分を読んで、嫁さんを大事にしなくちゃなあ、と改めて思いました。
一人後に残されることを想像するだけで、結構辛いです。
夫婦仲良く、できるだけ長く生きたいものです。
またお立ち寄りください。
どうぞご贔屓に。