まだ小学生だった頃のこと。
その日、夕方早く父が家にいて、夕飯のおかず用の買い物に行くことになった。
普段あまり買い物に行かない父は、なぜか僕だけを連れて、車でスーパーマーケットに出かけた。
冬だった。僕はアノラックを着ていた。父も厚手のジャンバーを羽織っていた。
店に入ると、陳列されている商品を見ることなく、魚売り場にまっすぐに向かい、「ほっけの開き」とだけ言った。
薄皮(包装材として木を薄く切ったもの)にほっけを包み、さらに新聞紙を巻いたものを受け取ってレジで支払いをした。
それからすぐに車で家に帰った。
ほっけの開きを焼いて、晩ごはんのおかずにした。
漬物と、みそ汁と、ほっけの開きと、炊き立てのごはん。
それだけの献立だった。
夕飯を食べながら、僕は少し裏返ったような声で「ほっけの開き」と言った父の真似を何回もした。
楽しい夕食だったが、父はなんだか恥ずかしそうだった。
ほっけの開きで晩ごはん
子供の頃、ほっけの開きはあまり好きではありませんでした。
しょっぱいし、油臭い感じもして。
それでも、今思いだすと、また食べてみたいなと思います。
近所のスーパーマーケットでも売っていますが、なんだか味が薄い気がします。
砂川のお米を紹介します。
冷めても美味しいので、お弁当やおにぎりに最適です。