小説すばる新人賞受賞作、受賞時の年齢が16歳とのこと。
面白くて、一気に読んだ。
やはり「あ」の作家から順に読んでいこうと思わなければ出会わなかっただろう。
読後の爽快感と、充実感が得られた、よい休日の午後になった。
作中に登場する人物は、誰もが自分の青春をきちんと終わらせて、大人になろうとしている。
それは、宿題をかかえたまま迎える、夏休みの終わりの日々を過ごしているようだ。
宿題への取り組み方は多様である。
そして、それはその人の生き方の反映でもある。
様々なスタイルで宿題に取り組み、やがて夏休みの最後の日を迎える。
登場人物の中の、最年少のうちの一人、河村は、高校を退学し、写真の専門学校に行くことを決める。
これもまた、一つの夏休みの終え方である。
カシャ。
乾いた音が響く。
「…撮ったの?」
「うん」
河村が頷いた。
「でもこの暗闇じゃ、二人の姿も、何も写ってないんじゃない?」
思ったことをそのまま言うと、
「きっと何も写っていないけれど、撮りたくなったら、撮るしかないんだよ」
河村はそう言ってほほ笑んだ。
彼女は、鮮やかに青春を生き、大人への道を歩んでいる。
ようこそお越しくださいました。
この本は本当に一気読みしました。
面白かったです。
まとまったお時間のあるときに是非どうぞ。
休日の午後などがお勧めです。
青羽 悠 「星に願いを、そして手を。」
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