安心感の研究 by 暖淡堂

穏やかに日々を送るための試みの記録

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嗜欲充盈、目不見色、耳不聞聲。春秋時代から伝わる心術の歴史 第5回

こんにちは、暖淡堂です。

管子四篇の心術、5回目です。

今回は、心の状態がどのように身体の器官に影響を及ぼすのかについて書かれた部分を読みます。

 

嗜欲充盈、目不見色、耳不聞聲。

 

  • 嗜欲充盈
  • 目不見色、耳不聞聲
  • 欲望が妨げるもの

 

嗜欲充盈

嗜欲しよくとは、様々な欲のことです。あれがしたい、これが欲しい、などの欲望のこと。充盈じゅうえいとは満ちること、一杯になることです。ここでは、欲望が心に満ちることですね。読み下し文は「嗜欲充盈すれば」。意味は欲望が心に充満した状態にあれば、になります。

目不見色、耳不聞聲

不は「~ず」、「~せず」のような否定に使われます。ここでは「見ず」、「聞かず」です。聲は声の旧字体。色はそのまま色彩のことと理解してもよいですが、例えば色即是空の色のように、現象として起こっていることという意味もあると思ってもいいかもしれません。聲は耳に聞こえる音。これも人々があれこれという話などの意味もあるかもしれません。読み下し文は「目は色を見ず、耳は声を聞かず」となります。

 

欲望が妨げるもの

欲望が心に充満してしまうと、目で世の中を見ていても、ありのままには見えず、耳で人の話を聞いていても、その意味を正しく聞き取れなくなってしまう。心があるべき状態にいないと、自分の周りにあるものとの関係がこじれてしまう。そんなことを言っています。

 

原文:嗜欲充盈、目不見色、耳不聞聲。

読み下し文:嗜欲充盈すれば、目色を見ず、耳聲を聞かず。

意味:心に欲望が充満すると、目は世の中をありのままには見ず、耳は人の言葉をそのままの意味では聞かない。

 

 

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