就職した年に買った分厚い本である。
何度か読みかけて、そのたびに何かの理由で中断してしまった。
そのうち、書棚にあるが、読まない本になっていた。
いつかまとまった時間があれば読もう、そう思う本だった。
去年の春、思いがけずまとまった時間ができた。
ひまにまかせて、書棚の本の埃落としをした。
そして、再会した。
机の上に置き、一番初めから読み始めた。
読み終わるまでは、ほぼ読書以外していなかったが、一日では読み終わらなかった。
本を開いている間、自分は中東の砂漠の中で呼吸をしていた。
読み終えて、本を書棚に置いたとき、とても強い酒を飲みたくなった。
砂のクロニクル 船戸与一
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