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こんにちは、暖淡堂です。
私たちは、生き方のモデルを、周囲の人達を観察したり、映画やドラマを観たり、読書をしたりして見つけていますね。
そして、その中に登場する人物の生き方や話し方を自分自身でもなぞってみたりして。
登場人物になりきることで、実生活での問題に対処する方法が見つかったりもするものです。
もし、あなたが、自信のある大人の生き方のモデルを探しているなら、この本がお勧めです。
北方謙三「道誉なり」
北方謙三さんの小説の登場人物は皆、自分の言葉を持っていて、しっかりとした語り方をします。
「道誉なり」の佐々木道誉は、一つ一つの戦に、勝っても負けても、揺らぐことのない生き方を最後まで貫きます。
暖淡堂のお気に入りキャラクターの一人です。
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描かれている時代
舞台は南北朝の動乱期。
足利尊氏が鎌倉幕府の中心にいる北条氏一族に反旗を翻すところから、後醍醐天皇との対立、最終的に北朝勢力を抱え込んで、室町幕府を安定化させるところまでが描かれています。
この時代を、一人の武士として生き抜いた、佐々木道誉の視点で描いています。
佐々木道誉の語り
この佐々木道誉、後世ではバサラ大名と呼ばれています。
その振る舞いに、バサラ(*)と呼ばせるものがあったようです。
(*)バサラ:華美な服装、派手でわがままな振舞いをすること、など。
ラスト近くの部分を引用します。
足利尊氏が死の床についています。
尊氏の死後の混乱を、自らのために利用しようとする勢力への牽制として、佐々木道誉が軍勢を率いて傍に控えています。
ー<以下引用>ー
「京に軍勢が入っている。三千か四千はいる。なんなのだ」
荒々しい声とともに、二木義長が入ってきた。
「静かにせよ、二木殿。上様の前だ」
「軍勢が、入っているのだぞ」
「この佐々木道誉の軍勢である。上様の死で、なにかを起こそうとする者がいるかもしれぬ。それは佐々木軍が速やかに討つ。それだけのことだ」
「誰が、命じたのだ?」
「わしが、わしに命じた。異存があるのなら、後日聞こう。ただし、心せよ、二木殿」
道誉は、二木義長にむけていた目を、尊氏の方へ戻した。
「わしは、佐々木道誉だ」
二木義長は、それで黙った。
ー<引用ここまで>ー
佐々木道誉の在り方
佐々木道誉は、けっして周囲の人たちを恫喝しているわけではありません。
自分の生き方、それに基づく自信、あるいは虚無感や諦念など、自分自身のすべてとともに、そこにある。
それを見せているのだと暖淡堂は思います。
そして、そんな人物の言葉には、誰もが畏敬の念を抱く。
人々は、そんな人物に憧れるのです。
<佐々木道誉関連書籍>
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