現代詩
寝不足 夢をたくさん見て、寝不足の朝は そのまま眠りながら、過ごしていよう 今日は、ここにいればいい ***** Google Geminiによる解説 暖淡堂の詩「寝不足」解説 暖淡堂さんの詩「寝不足」、短いながらも味わい深いですね。拝見すると、夢の余韻と現…
今年の雪 子猫が駆け回った あの秋の田の上に 雪が厚く深く 降り積もった この雪もまた春には溶け 田に張られた水は 陽に照らされて温むのだろう 夏には咽かえるほどの 稲の息を嗅ぐのだろう いつものように また季節は巡るのに 今年の雪は どうしてここまで…
雨に散る 道端の 置き去りにされた 古い靴の 紐は千切れ 雨に打たれ その傍に 小さな花の群が 雨に咲き 雨に打たれ 雨に散り その小さな花びらは きっと晴れた日 暖められた風に さらさらと舞う 光のように ***** Google Geminiによる解説 暖淡堂の詩「…
遠い駅 その駅を最後に旅立った子供は 小さな箱を膝の上に抱えたまま 窓の外の景色を眺めていた 古く、少し傾いた、よく震える家の 奥の、薄暗い部屋の、仏壇の前に置き去りにした いくつもの小箱のことを、時々思い出しながら 汽車は風に追い越されるくらい…
輪郭/滲み すでに、つねに、空と海とは接していて同じ色を互いに滲ませ合っているのに それを確かめるためにはるか遠くを見つめないといけない (…空と海とは、水平線で交わっているのではないのだ 人と人とは、独立して動くことができない同じ表面を共有し…
cerium oxide/層状の光 薄い、揺れ滲み、ずれ 層状に、動く無数の、粒子 色を噛み、噛み砕き砕き散らせ、撒き散らす 分散力の、井戸の底の蟹の爪の、鋼の肌 ただ層間で崩れるcerium oxide 波の、交差対角の、生き残り ピコ秒の、夢白熱する、爆縮 穴、のよ…
突堤/先端 不意に、強い不安を感じるのはもうそれ以上進めないところまで来ているから 立ち止まったのはその先にあるものが見えてしまったから そこで立ち止まったら、引き返すのでいい自分のいるところをよく見て 左右を確かめて不安を感じたことを忘れな…
揺れて、進む 時々、道標が現れたそれにしたがって、数歩進んだ振り向くと、いつも決まって、道標は消えていた まっすぐに歩いてきたつもりはなかたそれでも、自分の足跡は、あまり曲がっていなかったせいぜいが、少し揺れただけだった こんなに、しっかりと…
逃げ水 確かにあったはずのものを 掴み損ねた人々が 落胆し、首を振りながら 逃げ水を飲む ふっ、と息を吐くと 確かにいたはずの人々が 空間の中で崩れ、滑り 消えてしまう 夏の昼下がり 苦笑いだけを 残して AIによる解説 「逃げ水」の詩の解釈 この詩は、…
時の入江 ここから立ち去ったものがいたのか ここですべて果てたのか 波が洗い流してしまったのか もうなにも残されていない それを運んだであろう 入れ物が ただ、ここ、で朽ちている だれも来ることのない 遠い南の島の なにもかもが死んだ島で 真冬の乾い…
凍結 一千年もの間忘れられていた文字が また一千年凍りつく ほんの一瞬だけ 僕の耳元で冷たい息を吐いただけで 瞬間、僕の心の中で解れた言葉は またすぐに凍りついてしまった 起こらなかった出来事の 色の抜けた結晶として 僕はもうその言葉と出会うことは…
ただ一献 疲れたろう まだ歩けるうちに 立ち止まった方がいい 歩けなくなって足が止まったら その時は倒れるだけだ 十分に勝ち抜いた 次の相手を探しているうちに 引き下がる方がいい 勝てなくなったときに 新しい相手が現れたら ただ倒れるだけでは済まない…
路傍の靴 厚い雲 重くなる視線 その先に 枯れた雑草と 欠けた縁石と 捨てられた靴 それが革靴だったら 僕はこれまでの日々を思っただろう 紐の切れたスニーカーは これからの日々を思わせた 身体の底に 力の筋が一本 小さな声を上げた ***** Google Gem…
中空の軋み 雪、ふっ、と 頬に、冷たく 風、ふっ、と 耳を、刺す …振り返る、その一瞬手前に …音だけの、夜行列車 文字の、掠れてしまった 厚紙の、古い切符 それだけを支えに 走り続けた20年は 雪、ふっ、と 風、ふっ、と 手垢のついた 数冊のノートと引き…
浸透 振動 窓枠の冷たさ 歪む外の景色 凝る息 声 手摺のざらつき 靴の裏の粘り 逃げる雨 共鳴 不意の強度の増加 と、減衰 位相の逆転 失望 膝の裏の痛み 足首の怠さ 首の痒み 軋み 遠ざかる街 滲む燈 僕の窪み 触れなかった 雨だけの … 浸透 ***** Goog…
鞄 考えていた終わり方とは随分と違った それでも、確かに終わったのだと男は思った 使い古した鞄をその場に残して 列車に乗り込んだ それからもう、何も振り返らないと決めていた なのに、 もう会うはずもない人たちからもらった 小さな紙切れの塊が 鞄の中…
おぼえているか 山を乗り越え顔を見せる雲の表情が柔らかくなる頃君はきっとあの街に辿り着いている手紙をくれないか無事だったら僕の言葉を君は覚えているだろうか僕は相変わらずだ相性の悪い風には背を向ける日々だだからとてもゆっくりと進んでいる **…
しおみずをまく 遠い西日に暗く発熱する波打ち際に少年は泣きながら一人立ち足元からしおみずを手のひらですくっては砂浜の奥を目がけてまく小さな赤い花がしおみずに濡れて揺れる少年は自分が生まれ育った島を海の底に沈めてしまおうとしているのだそして昨…
零下の音 軋む音が 波音に混じり 雪の重たい気配に さらに沈む わずかの物だけを手にした 数人の男たちは 凍り始めた上着の中で 震える身体を跳ね上がらせ 眠れない夜と 雪に覆われた笹藪の中に消えていった その先にあったのは ただ暗いだけの夜と 冷たいだ…
砂の砦 甲冑をまとったまま 浅い眠りから覚めた男は 目の前に広がる砂漠の その涯に舞い上がる砂嵐を見た それは数万の軍勢が 怒りの声を上げながら迫る標 男がたった一人で防がなくてはいけない 狂乱の奔騰 狂気の激流 味方はただ眼球の溶け落ちた 暗い眼窩…
休日 金曜日の夜 いつも通り 早めに寝て 土曜日の朝 いつも通り 早めに起きる 窓の外は まだ暗く 部屋の中を 暖めながら コーヒーを飲む そして 休日を どのように過ごすか そのことだけを 考える 借りていた本を積み上げながら 家族との約束のいくつかを 思…
定点 柔らかな襞状のものに満たされた暗い部屋で 少年は蹲り 昨日見たはずの夢を 思い出そうとしている 夢は 時々現れては また 遠く離れてしまう 昨日見た夢と 同じだ そう少年が思った瞬間に 夢は硬くなり “ここ”が現れてしまう ああ、雪はまだ積もってい…
ただ待っている 寒いけど ただ待っている きっと 風が もう一度 吹く ***** 「ただ待っているだけではだめだ」 そんな声が、いろんなところから聞こえてきます。 「受け身でいてどうする、自分から動かないと何も得られないぞ」 そう言われても、自分か…
まだまだ たった一度 負けたって 勝つことが なくなった訳じゃない いっそきれいに負けて 次を考えたらいい 次も勝てないかもしれないけど 闘ってみた回数は一度増える いっそポイント制にして 節目には自分に 何かおごってやったらいい ***** いくつに…
軽い朝 いつもより眠れた 身体がゆったりと よくのびてい 今日はこのまま 眠っているように 過ごそうか 軽く あそこまで行ける そんな気がする ああ、雪が 降っていたのか それで こんなに 軽いのか ***** 記憶とは、頭のどこかに記録されているもので…
灯 雪、の夢をみた 少年は膝を抱えて 窓際にうずくまっていた そこが一番暗いことを知っていたから少年の祖母は ストーブの上で 干し芋を焙っていた 猫は丸くなって寝ていた外は吹雪いている 父も母もまだ帰らない * 目覚めると、まだ雨が降っていた * あ…
雨の街 人通りなくカラスが路上を食卓にして跳ね回っているこの血を雨は流せるのだろうか ***** カラスは雑食であることを思い起こさせてくれます。 そして、知性が高い。 雪の処方箋 (暖淡堂書房) 作者:暖淡堂 Amazon 腐朽船群 (暖淡堂書房) 作者:暖淡…
たどりつけない 足が、重くなって、もう歩けない日は傾き、人々は家路を急ぐが僕は、もうどこへもいけない北で生まれて、西に帰る僕はその涯に、何かがあるのを確かに知っているだけど、もう歩けないのだうずくまると周囲のものがごうごうと音を立てて僕を置…
また一日 ふと、もう歩けなくなるのではないかそう思ったなら、いっそまだ歩けるうちに、立ち止まってみようすぐ後ろにいて、僕を追いかけていたはずの人が思いがけず遠くにいて別の方角を向いて進んでいた僕の前にいたはずの人の大きな背中がバランスの悪い…
雨の音 眠りの底に微かな雨の音を聞いていたそれは、故郷の家のトタン屋根を叩く雨の音だったふと目を覚まし“ここ”に滑り落ちたまだ暗い朝に“ここ”でも雨が降っていた数十年をはさんでなんという偶然だろうまた、僕は… ***** 朝、目が覚めた時に聞く、…