安心感の研究 by 暖淡堂

穏やかに日々を送るための試みの記録

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歴史と古典

「人間失格(太宰治1948年)」と「暢気眼鏡(尾崎一雄1933年)」の著作権の保護期間はそれぞれいつ終わる? 【古典と著作権】

古典作品の著作権保護期間のおさらいです。 タイトルにある二作品の保護期間はそれぞれいつまででしょうか。 小説作品の著作権の発生は作品が創作された時点ですが、保護期間が終了する時点を決めるのは作者(著作権者)が亡くなった翌年の1月1日からの年数…

「フリー素材」の意味を理解していますか? 【古典と著作権】

ブログ記事を作成する際にお世話になるのが「フリー素材」。 文章ばかりではなく画像を入れると読みやすくなります。 でも、いつも自作の画像が用意できるとは限りません。 そこでお世話になるのか「フリー素材」を提供してくれるサイト。 暖淡堂のブログで…

古典作品の朗読は著作物? 琵琶法師が語る平家物語は? 【古典と著作権】

平家物語 平家物語は読み物であると同時に、琵琶法師の語るものでもあります。 読み物の平家物語は、作者(諸説あります)は亡くなって数百年経っています。 なので、平家物語自体に対する著作権者はいません。 一方で、現在でも琵琶法師として活躍されてい…

十八史略 太古 中国の国造り神話

中国の古典「十八史略」は太古から始まります。 人々はまだ原始的な生活をしていた頃のことです。 初めに王となったのが天皇(てんこう)氏。五行(木、火、土、金、水)の第一、木の徳を受けることで王となりました。 人々は純朴で、無理に従えるような努力…

「源氏物語」に自分の名前を作者名としてつけたらどうなるの? 【古典作品と著作権】

紫式部の源氏物語 「源氏物語」の作者は紫式部ですね。 なので、「源氏物語」の作者名として自分の名前を表示して出版するとどうなるか。 これは著作権のうちの著作者人格権「氏名表示権」とされている、著作者にのみ許されている権利に関係する問題です。 …

覇王の佐 ―宰相管仲― (2)

「韓非子」では、夏の湯王を補佐した伊尹、周の武王、文王の革命を支援した太公望呂尚、斉の桓公を覇者にした管仲らを「覇王の佐」と呼びました。 名臣と呼ばれる人たちは、国主に優れた資質がない場合でも彼らを支えて、在位期間中に手柄を立てたといわれる…

覇王の佐 ―宰相管仲― (1)

中国の春秋時代、斉の国の宰相として活躍した管仲の事績や言葉を見ていきたいと思います。 拙著「覇王の佐 ―宰相管仲―」より、まず「韓非子」に書かれた、古代の宰相を評価した文章を紹介します。 「韓非子」は韓非の言葉を書き残したものです。韓非は諸子百…

中国古代史の振り返り 国語斉語まで

中国古代の歴史を振り返ってきました。 これまでの記事をまとめます。 中国古代史のおさらい(1)夏と殷 中国古代史のおさらい(2)太公望登場 中国古代史のおさらい(3)殷帝国の落日 中国古代史のおさらい(4)周建国と崩壊の危機 国語 斉語 春秋時代…

国語巻第六 斉語(4)

斉の僖公の三人の公子の評価は次のようなものでした。 襄公となった公子諸兒は生まれが賤しい。公子糺は国民が母親を憎んでいる。公子小白は、母親が亡くなっていることを憐れんでいる。小白は小さな知恵はないが、ゆったりとした大きな思慮がある。 こう管…

国語巻第六 斉語(3)

襄公を力で倒した公孫無知が国主となりましたが、国内は安定しません。 やがて公孫無知は雍廩(ようりん)という人物に殺されてしまいます。雍廩は公孫無知に虐待されたことがあり、深い恨みを持っていたようです。 国君不在となり、公子の即位を願う人々が…

国語巻第六 斉語(2)

魯の桓公が亡くなった後、斉の襄公は文姜としばしば会っています。そのことを、魯、斉両国の重臣たちも止めることは出来なかったのでしょうか。 魯は桓公の後、荘公が立ちます。荘公は文姜の子です。荘公は母の振る舞いに口を出せなかったのかもしれません。…

古典翻訳物の著作権について

創作活動 古典作品そのものについての著作権について前回書きました。 現在の著作権法では、著作権の存続期間は70年。 それを越えた古典作品を そのまま書き写しても著作権侵害にはなりません。 古典作品を書き写したひとも、著作権を主張することもできませ…

錯簡(さくかん)のこと

紙が普及するまでは 文書は木簡や竹簡に書かれていました。 長くなると、複数の木簡や竹簡に分けて書いて それらを革などの紐で綴じ合わせていました。 その紐が古くなって切れてしまうと また綴じなおすのですが、その時に並べる順番を間違えることがありま…

国語巻第六 斉語(1)

「春秋左氏伝」を内伝と呼ぶとすると、「国語」は外伝にあたるということを以前書かせていただきました。 また、司馬遷の「史記」によれば、「春秋」の後に「国語」が書かれますが、このとき、左丘明は視力を失っていたようです。 左丘明は魯の国の人といわ…

国語 斉語 春秋時代の斉の国の物語

中国古代の春秋時代の出来事を記録した史書に「国語」という書物があります。これは「春秋左氏伝」の作者左丘明によるものと考えられています。 「春秋左氏伝」が、左丘明が仕えていた魯を中心とした記録であり、一方の「国語」はそれ以外の諸公の事績を詳し…

中国古代史のおさらい(4)周建国と崩壊の危機

中国古代史のおさらいの4回目です。 牧野の戦い前夜 太公望呂尚と文王、武王の親子との出会いが、殷の滅亡に与えた効果は、極めて大きかったと思われます。 呂尚の羌族と、文王、武王を中心とする周の人たちとの協力体制が整いました。 文王、武王の親子が…

中国古代史のおさらい(3)殷帝国の落日

中国古代史のおさらいの3回目です。 殷の落日 殷の最後の帝は紂(ちゅう)といいます。夏の最後の王桀(けつ)と合わせ、中国で桀紂(けつちゅう)といえば、いずれも国を滅ぼした暴君を意味します。 周の文王は西伯とも呼ばれ、渭水周辺に住む人々をよく治…

心術まとめ 古典の紹介 漢文読解の基礎 【管子四篇】

中国春秋戦国時代に成立した書物「管子」の「心術」篇の冒頭を少しずつ読みました。 「心術」は「管子」に含まれる「心術上下」、「白心」、「内業」と合わせて「管子四篇」と呼ばれます。 紹介した部分は短いですが、「管子四篇」の考え方を網羅できていま…

中国古代史のおさらい(2)太公望登場

中国古代史のおさらいの2回目です。 殷という国のこと 湯王によって始められた殷は紀元前11世紀頃に周に倒されるまで続きました。重要なことは占いで決められるような祭政一致の国でした。 動物の骨や亀の甲羅に占いによるお告げが刻み込まれて残っています…

中国古典新書「管子」柿村峻と、古典を読むことについて

柿村峻 中国古典新書「管子」 神田の古書街に易経関連グッズを扱っているお店が原書房です。 お店の前に積んである本が、時々掘り出し物があって、神田古書街に行けたときには要チェックですね。 中国古典新書「管子」 柿村峻 で、そのお店で買ったのが柿村…

中国古代史のおさらい(1)夏と殷

管仲が活躍した春秋戦国時代の斉の国を紹介したいと思います。 まず、中国の古代史をざっと振り返っておきましょう。 中国文明の黎明 黄河 もう一つの文明の起原 長江 二つの大河に育まれた文明 夏の都はどこにあったか 殷の都はどこにあったか 中国文明の黎…

源氏物語や平家物語の著作権? 著作権の保護期間と古典作品

平安貴族 日本の古典として有名な源氏物語や平家物語は著作物です。 現在の著作権法で考えると、源氏物語の著作者であり著作権者は紫式部です。 ただし、著作権法の保護対象外になります。 なぜなら、著作権者が亡くなってから70年以上たっているからです。 …

伊尹(いいん)について 殷(商)の成立

(Bloggerの記事を修正して引っ越しました) 伊尹という人物について 斉の桓公には管仲、周の文王、武王には太公望呂尚、殷の湯王には伊尹。 この最後に出てくる伊尹(いいん)ですが、日本ではあまり知られていません。 どのような人物だったのでしょうか。…

管仲という人物について 「管鮑の交わり」

(Bloggerの記事を修正して引っ越しました) 管仲の生きた時代 管仲の生年は明らかではないが紀元前730年頃と考えられている。 没年は紀元前645年。 いわゆる春秋時代の人物である。 周の都は洛陽。恵王から襄王の代にあたる。 「管子」の呼び方について 司…

登降揖讓、貴賤有等、親疎之體、謂之禮。簡物小未、一道殺僇禁誅、謂之法。春秋時代から伝わる心術の歴史―第15回 【管子四篇】

こんにちは、暖淡堂です。 管子四篇の「心術」の続きです。 今回は「礼」と「法」を述べた部分です。 前回の内容は以下になります。 dantandho.hatenadiary.com 現代訳管子四篇: 黄老思想の源流 (暖淡堂書房) 作者:暖淡堂 暖淡堂書房 Amazon 虚登降揖讓、貴…

虚無無形、謂之道。化育万物、謂之徳。君臣父子、人閒之事、謂之義。春秋時代から伝わる心術の歴史―第14回 【管子四篇】

こんにちは、暖淡堂です。 管子四篇の「心術」を少しずつ読んでいます。 今回は「道」、「徳」、「義」を述べた部分です。 前回の内容は以下になります。 dantandho.hatenadiary.com 現代訳管子四篇: 黄老思想の源流 (暖淡堂書房) 作者:暖淡堂 暖淡堂書房 Am…

求之者、不得處之者。夫正人無求之也。故能虚無。春秋時代から伝わる心術の歴史 第13回 【管子四篇】

こんにちは、暖淡堂です。 管子四篇の「心術」を少しずつ読んでいます。 前回の内容は以下になります。 dantandho.hatenadiary.com 智を求めることによって、自分の在るべき在り方を見失ってしまうという内容でした。今回は、それを直接的に述べた文章です。…

智乎、智乎。投之海外、無自奪。春秋時代から伝わる心術の歴史 第12回 【管子四篇】

こんにちは、暖淡堂です。 管子四篇の「心術」を少しずつ読んでいます。 前回の内容は以下になります。 dantandho.hatenadiary.com 今回は、誰もが求める智について述べた文章です。 現代訳管子四篇: 黄老思想の源流 (暖淡堂書房) 作者:暖淡堂 暖淡堂書房 Am…

人皆欲智、而莫索其所以智乎。春秋時代から伝わる心術の歴史 第11回 【管子四篇】

こんにちは、暖淡堂です。 管子四篇の「心術」を、ゆっくりと読んでいます。 前回の内容は以下になります。 dantandho.hatenadiary.com 今回は、知識を求めることについて述べた部分になります。 現代訳管子四篇: 黄老思想の源流 (暖淡堂書房) 作者:暖淡堂 …

虚其欲、神將入舎。掃除不潔、神乃留處。春秋時代から伝わる心術の歴史 第10回 

こんにちは、暖淡堂です。 前回は、道はすぐ近くにあるのに、それを自分のものにするのはとても難しいという内容の文を読みました。 前回の内容は以下になります。 dantandho.hatenadiary.com 今回は、自分のものにするのが難しい道(神と重なります)を、そ…

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